コーヒーの抽出にはどのような器具を使うかによって、コーヒーの淹れ方にはいろいろな方法があります。
家庭で手軽に淹れる方法としては、ペーパードリップ、フレンチプレス、モカエキスプレスなどがありますが、最も簡単な器具で初心者にも簡単に淹れることができるのがペーパードリップです。
今回は、ペーパードリップによってコーヒーを美味しく淹れる方法を紹介します。
●ペーパードリップにより淹れる方法
ペーパードリップは、文字通り紙製のフィルターを使ってコーヒーを淹れる方法です。
似たような抽出方法としてネルドリップという抽出方法を聞いたことがあるかと思いますが、これは”フランネル”と呼ばれる布製のフィルターを使用すてコーヒーを淹れる方法です。
この方法は長い歴史があり、コーヒー好きの方からも人気のある方法でしたが、淹れた後のフィルターの洗浄や保管方法が面倒、少量のコーヒーを淹れるときには手間がかかることなどのマイナス面もありました。
従来からのネルドリップに対して、簡易化した方法として生まれたのがペーパードリップです。
簡単でコーヒーの味を素直に引き出すことに優れているため、日本では最も多くの方が利用している抽出方法ということができます。
ペーパードリップは誰でも淹れられる簡単な方法ですが、淹れ方によって味に違いがでてきます。
できるだけ、ばらつきのない味で美味しくコーヒーを淹れるために、ペーパードリップのポイントを以下にまとめてみました。
・ドリッパーはどれを選んだらよいのか
ペーパードリップに必要なのは、ドリッパーと呼ばれる扇形または円推鉢状の器具でこれにペーパーフィルターを付けて抽出します。
ドリッパーにはメリタ式、カリタ式、ハリオ式、コーノ式と呼ばれるものがあり形状や溝の違いなど独自の形をしています。
コーヒーを抽出するという基本は同じですが、美味しく淹れるには難しさがともなうものもあります。
つまり、自分好みのいろいろな味を出せるが、使いこなすには熟練が必要なものと、味を変化させる幅は少ないが使いこなすのが簡単とされるものがるのです。
コーヒー初心者にでも簡単に安定して淹れられるのは、メリタ式といわれていますので、ドリッパーをどれにしたら分からないという方は、先ずはメリタ式のものから始めてみたらいかがでしょうか。
・コーヒー粉の量はどのくらいが適量か
コーヒー粉の量は1杯分(約140cc)で約10gが目安です。
挽き目は中細挽きが適正。
2杯分は18g、1杯分増えるごとに7~8g増やすのが適量です。
ドリッパーに粉をいれたら、お湯が偏って成分が均等に抽出されないように平にならします。
・使う水は水道水でも大丈夫
使う水は日本の場合、水道水はコーヒーに向いている軟水なので問題ありません。
ただ、水道水には消毒するために塩素(カルキ)が含まれているので、塩素臭を消すために浄水器を通した水を使うとコーヒー本来の味を損なわないで飲めると思います。
・お湯の温度はどのくらいが適温か
ペーパードリップでは、お湯の温度でコーヒーの味が変わってきます。
お湯の温度と味の傾向は90~95℃の高温では、苦みが強くメリハリのある味になり、75℃以下の低温では酸味の方が強まる傾向にあります。
そのため、この中間の82~83℃で淹れるとバランスの取れた味になるとされています。
でも、コーヒーの味には好みがあり92~95℃での抽出の方が、いいという方もいますので、自分の好きな味が見つかるまでお湯の温度を変えて淹れるのも方法です。
・抽出するまでの時間
お湯を入れて抽出を始める前に必要なことは、”コーヒーを蒸らす”ことです。
前項で説明した調整された温度のお湯を少量注ぎ、粉全体にお湯を含ませてから20~30秒蒸らします。
注ぐお湯の量は20cc程度で下のサーバーに数滴落ちるくらい。
十分蒸らすことで、粉の中にお湯が浸透して香り、苦み、酸味などの成分を溶かしだす通り道ができます。
蒸らしが終わったら、お湯を細く絞りコーヒー粉の中央から外側へ「の」の字を描くように真上から注ぎます。
この時に注意することは、粉の縁にお湯が当たらないようにすることです。
縁をお湯で崩すとお湯の流れが変わり、上手く抽出できなく雑味が出て水っぽくなります。
注いだお湯の水位が中ほどまで落ちたくらいにお湯を注ぎ足します。
粉の面が見えてしまう前にお湯を足すことが美味しく淹れるポイントです。
抽出量に達したら、ドリッパーにお湯が残っていてもドリッパーを外します。
抽出したコーヒーは温めたカップに注いでできあがりです。