コーヒーをハンドドリップで淹れるときに必ず使うのが、コーヒードリッパーです。
ドリッパーにコーヒー粉を入れて、お湯を注ぐだけで誰でも簡単にコーヒーが淹れることができるので非常にポピュラーな器具です。
コーヒードリッパーにもたくさんの種類があって、ペーパーフィルターを使うものやペーパーレスタイプといわれるメッシュによるドリッパーもあります。
今回はペーパードリップに使用するドリッパーについて、メリタのドリッパーの特徴や抽出される味について説明していきたいと思います。
●メリタのドリッパーの特徴、他のドリッパーと味はどう違う?
・メリタのドリッパーの特徴
メリタのドリッパーの特徴は、立体的な台形の形状と底部にある1つ穴です。
ドリッパーの形状、内側のミゾの形状、穴の数やサイズなどは、ドリッパーの種類によって異なっており、それぞれメリットとデメリットがあります。
一般的にドリップ式でコーヒーを淹れる場合は、淹れ始めは抽出のスピードが速く、終わりに近ずくにつれて遅くなります。
また、穴の数がたくさんある場合は、抽出が終わりに近づくにつれて、コーヒーが流れる方向が限られてくるので、抽出時のコツをつかむ必要があります。
メリタのフィルターはこのような淹れるときのコツに左右されないように、1つ穴方式で正確な時間で抽出されるように、形状やミゾなどが計算されています。
そのため、必要なお湯の量を一度に入れると後は抽出時間はメリタのフィルターがコントロールします。
このドリッパーを使うと、コーヒーを淹れるのが慣れていなくても毎回変わらない美味しいコーヒーを作ることができます。
また、メリタには”アロマフィルター”と呼ばれるドリッパーもあり、こちらは穴の位置が底より少し高い位置にあり、注いだお湯が溜まる構造になっているためしっかり蒸らしコクのある味を引き出すことができます。
材質はプラスチック製のものと陶器製のものがあります。
陶器製のものが伝統的な感じで、重厚感もありますが取り扱いを丁寧にしないと割れてしまうこともあります。
・他のドリッパーと味はどう違うの?
メリタのドリッパーでコーヒーを淹れたときと例えばカリタのドリッパーで淹れたときでは味がどう違うのでしょうか。
カリタのドリッパーはメリタのドリッパーと外観はよく似ていますが、穴の数は3つあります。
穴の数が多いほど注がれたお湯が早く落ちるので、コーヒー粉に触れている時間も短くなります。
このため、雑味成分が抽出されにくくなりあっさりとした味のコーヒーが抽出されます。
一方、メリタのドリッパーは1つ穴なので、お湯がドリッパーに留まる時間が3つ穴よりも長くなります。
このため、コーヒー本来の成分をしっかり抽出するので、コクのある濃い目のコーヒーが抽出されます。
●ペーパードリップに使うドリッパーの種類
ペーパードリップに使用するドリッパーには、代表的なものとして前節で紹介したメリタ式の他にカリタ式、ハリオ式、コーノ式があります。
それぞれの形状や材質などを紹介します。
<カリタ式>
・形状
形状はメリタ式のものと同様に立体的な台形状の形ですが、メリタと違って3つの穴があいています。
また、ミゾはメリタのドリッパーでは、下半分ですがカリタのドリッパーでは上から下までミゾが切ってあります。
穴が3つあることにより、抽出したコーヒーをドリッパー内に溜めないで落としますので、コーヒー粉に含まれる雑味が抽出されにくいことが特徴です。
抽出する時間はメリタ式にくらべ早く、お湯の流れも偏りが生じることもあるので、美味しく淹れるにはお湯の淹れ方や抽出時間などのコツをつかむことが大切です。
・材質
材質には陶器製、プラスチック製、銅製があります。
<ハリオ式>
・形状
ハリオのドリッパーV-60は、メリタやカリタの立体的な台形の形状とは違い、円推形になっていて、底面に大きな穴が開いています。
したがって、使用するペーパーフィルターも扇形のものではなく、円錐形に合う専用のペーパーフィルターを用います。
ドリッパーの形状の影響は大きく、円錐形では注がれたお湯が中心に向かって落ちるためコーヒー粉に触れる時間が長くなりコーヒーの成分を良く抽出します。
コーヒー粉に触れる時間が長くなったといっても、フィルター内に留まっている間だけでドリッパーの穴による制限は穴が十分大きいので受けません。
このため、ネルドリッパーに近い淹れ方ともいわれています。
また、内側にあるリブは上から下まであり、曲線を描いでいます。
このリブの役割は蒸らしの際にしっかり空気が抜けるようにするためです。
このドリッパーはメリタ式やカリタ式に比べて自由度があり、注ぐお湯の量やスピードをコントロールすることで違う味のコーヒーを抽出することができます。
抽出するスピードが早めになるので苦みと酸味のバランスが取れた、すっきりした味のコーヒーに仕上がります。
・材質
材質にはプラスチック製、陶器製、耐熱ガラス製があります。
<コーノ式>
・形状
コーノ式のドロッパーはハリオ式と同じように円錐形になっていて、底には大きな穴が開いています。
したがって、ドリッパー側にはお湯を留める機能はなくお湯がフィルターを透過する間にコーヒーを抽出することになります。
ハリオ式と違うところは内側にあるリブの長さで、ハリオ式は上から下までありますが、コーノ式のリブは下1/3位しかありません。
このリブの長さの違いで、抽出するコーヒーの味も違うというのですから驚きです。
コーヒーを抽出するとき、コーヒーに含まれる雑味成分は、アワと一緒にフィルター上部に層を作るのでこれを落とさないようにリブを短くしています。
ハリオ式と同様お湯を注ぐスピードは量によって、違う味のコーヒーが抽出できます。
リブの長さに違いによって、雑味成分が落ちにくくなるので酸味のバランスが取れた、ややすっきりした味のコーヒーに仕上がります。
・材質
材質はプラスチック製
●メリタのドリッパーのまとめ
メリタのドリッパーは、1つ穴でそこから落ちるスピードが決まっているため、決まった量のお湯の一度に入れるだけて自動的に抽出時間が決まり、毎回同じ味を淹れやすい。
このため、コーヒー初心者に向いた淹れ方といえます。
どのドリッパーを使ったらいいか分からないという方は、メリタのドリッパーから使ってみてはいかがでしょうか。