”コーヒー豆の専門ショップへいってみたが、コーヒー豆の種類や焙煎の方法がいろいろあり、どれを選んだらよいか分からない”
ということはありませんか?
コーヒーショップでコーヒーを飲んでも、ショップによって味もずいぶん違いますよね。
コーヒーの味を決める要因はたくさんありますが、どんなコーヒー豆を選ぶか、どんな焙煎度合のものを選ぶかでもずいぶん味が違ってきます。
今回はコーヒー豆の種類と味の特徴と焙煎度合によっても味が大きく違うことを説明します。
●コーヒー豆の種類と味の特徴
コーヒー豆には大きく分類してアラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種の3つの品種があります。
これらの大きな品種は味・香り・豆の形状などで違いがあります。
コーヒーショップで飲むコーヒーやコーヒー豆専門店で買うコーヒーなど、流通しているコーヒーはほとんどがアラビカ種と呼ばれるものですが、このアラビカ種の中でも栽培する環境で味が違いいろいろな種類(銘柄)があります。
・キリマンジャロ
タンザニアで生産されるコーヒーを日本では、”キリマンジャロ”と呼んでいます。
キリマンジャロ地方で採れるコーヒーをいうわけではありません。
また、このような呼び方は日本だけなので”キリマンジャロコーヒー”を注文しても通じません。
味は、やや強めの酸味と柑橘系フルーツのような甘味を持ち合わせ、「野性味のある味」といわれることが多い。酸味とコクのある味わいです。
・モカ
イエメン又はエチオピアで生産されるコーヒーを指します。
日本だけの呼び方ではないので、海外でも通じます。
独特の酸味を持ち、フルーティで甘みとコクが特徴です。
同じモカでも産地や地域により区別された名前で呼ばれます。
イエメン産の「モカ・マタリ」、エチオピア産の「モカ・ハラー」、「コカ・シダモ」等が有名です
・マンデリン
インドネシアのスマトラ島で生産されるコーヒーをいいます。
インドネシアのマンデリン族がコーヒーを栽培し始めたのが、マンデリンコーヒーと呼ばれる由来となっているようです。
味はひかえ目で苦みとコクのある味わいが特徴です。
しっかりとした苦みがあるので、カフェオレに使用されることも多いです。
・ブルーマウンテン
ジャマイカで生産されるコーヒーでも、標高800~1200mの限られた地域で栽培されたコーヒーだけがこう呼ばれます。
このため生産量が少なく、希少価値が高いコーヒーとなっています。
苦み、甘味、酸味、香りとコクが絶妙にバランスが取れているのが特徴です。
・グアテマラ
グアテマラで生産されるコーヒーです。
フルーツのような酸味と甘みがあり、コクがあり芳醇な味が特徴です。
他の豆と合わせやすく、ブレンドにも多く用いられます。
・ブラジル
ブラジルで生産されるコーヒーです。
ブラジルで栽培されるコーヒーは品質もよく、世界でも最大の生産量があります。
酸味と苦みがほどよくバランスし、ナッツのような香りが特徴です。
他の豆とも合うので、ブレンドのベースに用いられることも多いです。
・コロンビア
コロンビアで生産されるコーヒーです。
コロンビアもコーヒー栽培が盛んで、ブラジル、ベトナム次いで生産量が多い国です。
コロンビアコーヒーは、酸味と甘みがバランスがとれていてまろやかな味が特徴です。
ブレンドのベースとしても多く用いられています。
・パナマ
パナマで生産されるコーヒーです。
コーヒーの生産量は世界25位で、それほど生産量は多くありません。
酸味は控え目でかすかな甘い香りとコクがあります。
最近有名になっているのが、ゲイシャ種で華やかな柑橘系の香り、すっきりした酸味が特徴の味です。
生産量が低いので、希少で高価なコーヒーとなっています。
・ハワイ・コナ
ハワイで生産されるコーヒーです。
酸味と豊かなコクが特徴で苦みは少なく、甘い香りがあります。
単品のコナコーヒーは少なく、コナコーヒーをブレンドしたものがほとんどです。
●コーヒー豆の焙煎度合によっても味は大きく違う!
焙煎とは生のコーヒー豆に火を通すことを言います。
コーヒーの味は焙煎の度合によっても大きく変化し、味の変化は生産国の違いよりも大きいとされています。
たとえば、ブラジルコーヒーを浅く焙煎したものと深く焙煎したものを比べると、同じ”ブラジル”でもはっきりと違いが出てきます。
つまり、焙煎度合による味の違いは、ブラジルとコロンビアなどの生産国の違いよりも大きいのです。
一般的に焙煎度合と味との関係は、深煎りするほど酸味が弱くなって苦みが増し、浅煎りほど酸味が増して苦みが少なくなります。
したがって、自分に合ったコーヒーを探すにはコーヒーの銘柄ではなく焙煎度合を基準にした方が早く見つかる可能性が高いです。
焙煎度合には大きく次の5つがあります。
・浅煎り
外観は薄茶色。さわやかな酸味が出やすいが渋みやえぐみが残りやすい。
キューバ、ハイチなどカリブ海系で育成状態が良く精製度が高く、水分が少なく肉薄の豆に向いています。
・中煎り
外観はアーモンド色。酸味がありほんのりとした甘味でまろやかな味わい。
苦みはあまり感じられない。
水分が少ないカリブ海系の豆やブラジルの自然乾燥の豆に向いています。
・中深煎り
外観は茶褐色。酸味と甘味、苦みのどちらにも偏らないでコーヒーの味を十分に引き出す。
一般的に飲まれているレギュラーコーヒーはこの段階。
マンデリン、ハワイ・コナやガアテマラ、メキシコ産の豆に向いています。
・深煎り
外観は黒褐色。酸味がなくなり苦みが増して重厚な味になります。
ミルクを使うアレンジコーヒーなどに適しています。
酸味があり、水分が多いケニア、コロンビアの豆に向いています。
・極深煎り
外観はほぼ黒色。強い苦みが出てスモーキーな味がでる場合もあります。
イタリアンローストとも呼ばれエスプレッソ、アイスコーヒー、ミルクを使うアレンジコーヒーに適しています。
●自分に合ったコーヒー豆の選び方まとめ
コーヒー豆はやはり鮮度が決め手です。
コーヒー豆が直接空気に触れているような量り売りは、豆が酸化して鮮度が落ちている可能性があるので買わない方がいいと思います。
アルミ製密閉袋に包装されていて、1週間ほどで飲みきれる程度の少量が入ったものを選ぶ方が美味しく飲めます。
前節でも説明しましたが、コーヒーの味は焙煎度合で大きく変わるので浅煎りや深煎りなど焙煎度合の違うものを試飲させてくれる店を選べば、自分に合ったコーヒーを早く見つけられます。